日本のみならず、アジアでも初となるマスターズ1000シリーズの決勝の舞台に錦織が立ちました。ムチュア・マドリッド・オープン2014の決勝戦はナダルとの対戦です。
3セット目の途中で棄権という結果に終わりましたが、錦織は日本のテニスに大きな可能性を示してくれました。それだけでも十分だと思います。錦織としては満足いっていないでしょうが、一ファンとしては十分すぎるくらい楽しませてくれたので、本当に感謝しています。
私はTennis.TVで観戦しました。ここで少し試合の方を振り返ってみたいと思います。
錦織 vs ナダル【決勝戦】
[第1セット]
第一セットはナダルの調子があまり良くないことと、錦織の果敢な攻めが功を奏し、第3ゲームと第5ゲームのナダルのサービスゲームを連続ブレイクします。
錦織はサービスを順当にキープし、今大会まだ1セットも落としていないナダルからセットを奪います。
「これはもしかして・・イケる?ナダルに勝てるかも知れない」と思った瞬間でもあります。私だけでなく、多くの方がそう思ったのではないでしょうか。
[第2セット]
ナダルのサービスゲームで開始したこのセット、いきなり錦織がブレイクします。やばい、マジで勝てるかも・・と思わずにはいられない展開です。
第2ゲームはいきなりナダルの逆襲を受け、0-40となりますが、錦織が粘りを見せ、危ないながらもキープ。
その後は両者とも順当にキープ。第6ゲームの錦織のサービスゲームの時、この試合で一番と思われるスーパーショットを錦織が打ち、会場を盛り上げます。ジョコビッチを思わせるあのバックハンド、凄すぎました・・。
このままいけば・・本当に勝てる。
そう思った矢先、恐れていたことが起こります。第7ゲーム、ナダルのサービスゲームの時、明らかに錦織の反応が鈍ってきています。このゲーム終了後、錦織はマッサージを受けます。何やらイヤな予感がする・・。
そして4-3で迎えた第8ゲーム。錦織のサービスゲーム。これを取れば大手!というゲームなのですが、最初のポイントを獲った時点で錦織は足を引きずり出しました。間違いない、ケガの再発だ。
せっかく勝っていた試合でしたが、こうなってはもうほぼ終わりです。残る希望は、動けなくなる前に一気に2ゲームを連取し、このセットを獲って一気に試合を決めるだけ。
しかし、ナダルも簡単には落ちません。15-30で迎えた重要なポイントでラリー合戦になります。錦織は力を振り絞り、鋭いショットを打つのですが、ナダルも負けずと返してきて、最後は決められてしまいます。そしてナダルの雄叫びが会場に響き渡る・・。
そして動きに精彩を欠きだしたものの、パワーショットを繰り出してナダルを追い詰めながらも、最後はネットに嫌われてこのゲームをブレイクされてしまいます。
さらに連続してゲームを奪われ、このセットを4-6で落としてしまいます。ちくしょう、悔しいよ。
[第3セット]
もうほぼ動けなくなっている錦織。気のせいか、ナダルは動けない錦織のために正面に球を集めてくれている感じがします。それほどダメな状態になってしまっているのです。
何が体を動かそうとしているのか。応援してくれている日本のファンのためか。決勝を観にきてくれている会場のテニスファンのためか。
もういい、十分にやったよ。頼むから棄権してくれ。
そしてゲームカウント0-3になったあと、錦織は自ら棄権を申し出ます。うん、それで良かったんだ。
ナダルと握手し、ベンチに戻った後の錦織の無念そうな顔・・。見ているこちらが泣きそうになりました。どれほど悔しかったのか。どれほどの決断がいることだったのだろうか。
きっと試合を観ていた日本中のファンが悔しい思いをしたでしょう。当の錦織の悔しさはどれほどのものなのか・・。
まとめ
決勝戦は
6-2、4-6、0-3(途中棄権)
という結果で、残念ながら錦織の負けでした。しかしながら、最近の錦織の進化具合がはっきりと表れた大会であり、今後のマスターズ1000、そしてグランドスラムといったビッグタイトルが十分に狙える実力があることを日本のファン、そして世界に示してくれました。
ランキングも12位から9位に上がりました。素晴らしいです。
次のイタリアは欠場する予定とのことなので、ゆっくりと休んで全仏までに体調を戻してきて欲しいですね。この調子ならビッグタイトルも夢でなくなってきているので、私たちに新たな感動を運んできてくれるのではないか・・と期待せずにはいられません。
なにはともあれ、ムチュア・マドリッド・オープン2014準優勝、本当のおめでとう!心から祝福します。
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