ガットの張り方の一つに「ハイブリッド・ガット」という方法があります。普通とは少し違う張り方で、縦糸(メイン)と横糸(クロス)に別々のガットを使用する手法のことを言います。
ポリエステルだとテンション維持率が悪い・・。かといってナチュラルだと反発力が強すぎる・・。だけど両方合わせてみるとあら不思議、両方の良い部分が出てきて良いじゃない!となったのがハイブリッドが流行ったキッカケだと聞いています。
ただ、初めに言っておきますが、初心者にはまず関係ない張り方だと思いますので、初心者の方は一つの情報としてざっと読んでおくか、もしくはこのページを飛ばしてもらっても構いません。
ハイブリッドは一部の中級者や上級者、そしてプロが好んで張っている手法であり、トッププロの間では主流の張り方となっています。が、価格面やテンション維持率を考えると、やはり初心者には向かないのではないか・・と私は考えてしまいますね。(あくまで個人的意見なので、興味とお金がある方は初心者でも選択肢の一つに成り得るかも知れません・・。)
目次
基本は縦にポリエステル、横にナチュラルだが・・
縦と横、同じガットを張らなければいけないという決まりはありません。なので自分の好きなように変えてしまってOKなのですが、そうは言ってもじゃあ何を張ろう?となる方も多いのではないでしょうか。
私も初めのうちは全く分かりませんでしたが、そんな時はプロがどのように張っているのかを知ることでヒントが見えてきます。情報があるって、良いことですよね。
ということで、トッププロもよく張っている「メジャーな張り方」を解説したいと思います。
【縦にポリエステル、横にナチュラル】
まず基本となるのが縦糸にポリエステル、横糸にナチュラルを張る組み合わせ。これは錦織圭、アンディ・マレーが主に使用している張り方です。
縦がポリエステルなので耐久性があり、横がナチュラルなので打球感に優れ、飛び過ぎを抑えるので思いきり打ちやすいという、両方の良い特徴を発揮してくれる張り方です。
元々ハイブリッドが流行りだした当時は縦ポリ、横ナチュラルが当たり前!という風潮があり、当然のように皆がそれで張っていました。が、フェデラーが常識を覆す縦ナチュラル、横ポリという、通称「フェデラー張り」を世に出して以降、もうどっちがどっちでも自分に合ってる方で良いんじゃない?的な感じになったのが正直なところです。
では、お次はフェデラー張りについて解説します。
【縦にナチュラル、横にポリエステル】
フェデラーを初め、ジョコビッチ、ツォンガなどのツワモノたちが張っている手法が「フェデラー張り」で御馴染みの縦糸にナチュラル、横糸にポリエステルを張る組み合わせ。
縦がナチュラルなのでスピンがかかりやすく、横がポリエステルなので反発力に優れ、スピーディなボールが打てると言われている張り方です。また、ハードヒッターはナチュラルだけだとガットが切れやすいですが、ポリエステルを横に張ることでナチュラルガットが切れにくくなるという張り方でもあります。
ハイブリッドは耐久性に難あり?
両方の良い所を合わせたような素晴らしいハイブリッドガットですが、欠点は耐久性にあると言えます。
今の主流はポリエステル×ナチュラルなのですが、ポリエステルはテンション維持率が非常に悪いため、寿命が1ヶ月程度と言われています。また、柔らかいナチュラルガットが硬いポリエステルに食い込み、切れることが多くなったと感じる方も少なくないようです。
ハイブリッドガットは両方の欠点を抑え、良い部分を際立たせるものではありますが、それでもナイロンガットに比べるとテンション維持率が悪く、切れやすい印象を持っている方が多いです。
プロは試合中に何度もラケットを変えるため、テンション維持率やガットが切れることにはほぼ気を使わない問題となりますが、張り替える機会がそれほど多くない一般のテニスプレイヤーがハイブリッドを使う場合は、耐久性があまり高くないことを理解した上で使っていく必要があります。
耐久性が低い=お金がかかる
ただでさえ価格が高いハイブリッドガットですが、張り替えるサイクルが短いので経済的にはかなり厳しくなります。ハイブリッドガットを初心者にオススメしない最大の理由はここにあるのです・・。(お金を持っている方には当てはまりません)
初心者はとりあえずナイロンガットがお勧めで、スピンに目覚めたらポリエステルガットが良いと思います。テニスに慣れてきたら奮発してナチュラルガットにするのも良いかも知れません。ハイブリッドはその後に試してみても遅くはないと思います。
自分に合った張り方は短期間で見つけられるものではない
自分に合ったガットを一つ見つけるだけでも大変ですが、ハイブリッドとなると2つのガットを掛け合わせるので組み合わせは膨大な数になり、自分にピッタリの組み合わせを見つけるのはかなりの時間が必要となります。さらにテンションの高低が加わると、もはや訳が分からなくなります。
もしも「これからはハイブリッドでガットを張っていくよ!」と思っているのでしたら、是非ともじっくりと時間をかけて探していってください。必ずあなたにピッタリな組み合わせは出てくると思いますが、中途半端で決めてしまうと逆に打ちにくくなってしまう可能性もあります。
また、初めのうちはウィルソンが出しているハイブリッドセットを購入するのも良いと思います。ハイブリッドセットは錦織仕様やフェデラー仕様のものが発売されていますので、これらを選んでおけばとりあえず間違いないと言えるでしょう。興味がある方はチェックしてみてください。
ガットの情報一覧
【ガットの基本情報】
・ガットを張るにはどこで何をすればいいか
・テンションは高いのと低いの、どちらが良いのか
・張り代を安くあげるための3つの方法
【ガットを選ぼう(種類を解説)】
・ナイロンガットの特徴と魅力、欠点
・ポリエステルガットの特徴と魅力、欠点
・ナチュラルガットの特徴と魅力、欠点
・ハイブリッドガットの特徴と魅力、欠点 ←今ココ
・【2011年版】トッププロが使っているガット
【中級者向け】
・ガット張り機(ストリングマシン)を使ってみよう
【豆知識】
・(その.1)張り替える時は、ガットを切ってからお店に頼むべきか?
・(その.2)ガットを切る用のハサミは必要か
・(その.3)張り替える目安と期間
バボラ プロハリケーンツアー+エクセル 125+130 を張りたいのですが縦糸はどちらのガットか教えて下さい。